第 24 回 ALBA-TCP 首脳会議 写真:キューバ、議長国
(速記版-共和国大統領府)
兄弟である、ニコラス・マドゥーロ・モロス、ベネズエラ・ボリーバル共和国大統領、
親愛なるニコラス、あなたの愛するカラカス、そしてラテンアメリカの人々の心の中の永遠の司令官であるチャベスの地にいることは、いつも楽しく感動的です。
そして、私たちの共通の歴史における重要な時を祝う、我らがアメリカの人民のためのボリーバル同盟の友人、兄弟たちとともに、こうした神聖な場所にいることは、二重の喜びであり、感動的です。
兄弟である、ダニエル・オルテガ・サーベドラ司令官とルイス・アルセ・カタコラ大統領、親愛なるラルフ・ゴンサルベス、ルーズベルト・スケリット、ガストン・ブラウン首相、
親愛なるホンジュラス共和国代表、シオマラ・カストロ大統領に友愛の抱擁を送ります
(拍手)。
友人のパレスチナ国家のマルキ外相、パレスチナ国家の代表の皆さんに、キューバ国民と政府の固い連帯を改めてお送りします。この連帯を、キューバに滞在する何百人ものパレスチナ人学生たちに、本日も提供します(拍手)。
ホルヘ・アレアサ ALBA-TCP 事務局長、
ALBA を構成する各国の代表団長および代表者の皆様、招待者の皆様、
社会運動の皆様、参加者の皆様、
2004 年 12 月 14 日、ハバナでフィデルとチャベスが抱擁をもって ALBA の誕生を宣言し
た記念すべき夜から 20 年が経ちました。このプロセスは、私たち両国国民の抱擁の中で時が形成されていった、解放の過程でした。
その 5 年後、ALBA-TCP は、まずボリビアとニカラグアが加盟し、次にドミニカ国、ア ンティグア・バーブーダ、セントビンセント・グレナディーンが加盟しました。これらは、私たちの活動に参加してくれた英語圏カリブ海諸国の最初の 3 か国です。
その後、セントクリストファー・ネイビス、グレナダ、セントルシアの加盟により、同盟 はその発言力と地域的な広がりを強め、今日の姿となりました。友愛、連帯、協力、尊重、団結、疎外された人々の利益のための戦う、声なき人々の声の場所です。帝国主義や地域の寡頭制支配政治への依存と従属と戦う、歴史上の兄弟の明確な擁護の場所です。
今日、私たちは、再び ALBA-TCP サミットに共に参加しています。それは、我らがアメリカの統一と社会正義を守るための戦いにおける重要な節目であり、私たち全員が願う、より良い世界の実現に向けたものです。
私たちは、一度たりとも約束を破ったことはありませんし、これからも決して破ることはありません。なぜなら、アメリカ大陸の統合という大義を決して見捨てることはないからです。それは、数多くの夢や計画がまだ実現されていないものの、この出会いも過去のものと同様に、私たちを引き続き感動させています。フィデルとチャベスは、ボリーバルの時代以来、誰よりもその夢と計画を推進し、具体化し、何百万人もの人々の願望に応えました。そして今、私たちには彼らの足跡をたどり、同じ意志をもってそれを推進し、具体化する責務があります。なぜなら、今の時代も、私たちの国々にとって決して挑戦が少ないわけではないからです。
その道のりは、決して平坦ではありません。 ALBA-TCP を前進させたいという私たち一人ひとりの強い意志が、同盟を包摂的な統合プロセスへと強化し、共通の危機に立ち向か
うための行動を強く調整し、常に人民の幸福、発展、繁栄を意思決定の中心に据えることを可能にしたのです。
各国首脳及び政府の皆様、友人の皆様、
私たちの国のいくつかの安全保障と安定に対する脅威によって、私たちが直面している非常に複雑な国際的・地域的シナリオについて意見交換するために、今年、多くの同盟の会議を開催しました。
ラウル・カストロ・ルス革命軍将軍が、第15 回ALBA-TCP サミットで警告したように、
「...... 私たちは、地域規模での挫折が私たちの国民に非常に悪い影響を及ぼす、歴史上重
要な段階にいるのです」。
今日、国際関係のシステムは、不公正で不平等かつ排他的な秩序のゆがみに苦しんでいます。私たちは、憎悪と暴力を煽る言説や、露骨な形での過激主義の助長、そして古い克服されていない帝国主義的支配の手法の復活を目の当たりにしています。左派や進歩派の政治指導者に対するクーデターの試みや迫害に加えて、今や恐怖と嘘を植え付けることを目的とした激しい情報操作の機械が動いています。
米国のモンロー・ドクトリンやマニフェスト・デスティニー(明白な運命)政策は、19世紀の古い理論ではありません。膨張主義的で覇権主義的な概念は、ラテンアメリカとカリブ海諸国ではかつてないほど有効です。
帝国主義と寡頭制支配は、社会的性格を持つ公共政策の範囲を制限し、この素晴らしい地理が持つ貴重な天然資源を収奪し、独立を深めるラテンアメリカとカリブ海の統合の進展を阻害するために、人民を分断し、この地域の政府間に敵意を植え付けるという倒錯した目的を決して放棄してはいません。
一方的な主張や恐喝によって、国際法や最も基本的な共存のルールを無視し、発展途上国を絶対的に侮蔑しているのです。
したがって、現在の国際秩序を深く改革し、最終的に連帯と協力が相違に打ち勝つことができるようにすることが必要です。
多国間主義への回帰は、「南」側諸国が世界的な意思決定に対等な立場で参加する新しい秩序に向かうためには、先送りすることはできません。
フィデルが国連で行った歴史的な演説のひとつで述べたように、「収奪の哲学をやめよ、そうすれば戦争の哲学はなくなる」のです。 植民地主義、新植民地主義、成長するファシズム、そして国際的な平和と安全を脅かすその他のあらゆる現象は、所有と支配への欲
望、土地や財産、さらには生命さえも他者から奪い取ろうとする恒常的な試みから生じています。
現在南北を隔てている溝を埋め、意思決定プロセスや資金源へのアクセスにおいて開発途上国に公正な待遇を与える、新たな国際金融構造の必要性がますます明らかになっています。
国連憲章の目的と原則、とりわけ国家主権の平等、民族の自決、紛争の平和的解決、いかなる国家の領土保全や政治的独立に対する武力による威嚇や行使の拒否を完全に尊重することが、かつてないほど急務となっています。
そのためには、団結、統合、平和に対するすべての人々の揺るぎない意志と努力が必要です。 私たちはこの点で、ラテンアメリカ・カリブ海地域を平和地帯とする宣言の絶対的な妥当性を再確認します。この宣言において、私たちは、武力行使と武力による威嚇をこの地域から永久に追放することを約束しています。
シリアで起きた劇的かつ急速な出来事は、そのアラブ国家における政権交代を引き起こしましたが、それはアメリカ、イスラエル、そして西側諸国の利益に奉仕するため、中東地域を危険かつ無謀に再編成する動きの一部です。
私たちは、シリアの主権、領土保全、独立、そして国民の団結の維持を強く求めます。
各国と政府首脳の皆さま、友人の皆さま、
帝国覇権主義に服従しない国々に対する一方的な強制措置の増加傾向は、それが向けられた国の主権と独立に直接的、意図的、政治的動機による損害を与えるものであり、極めて憂慮すべきものです。 内政不干渉の原則に反し、人権の完全な享有を促進する各国の努力を妨げるものです。
もう一度、私たちは、すべての一方的な強制措置の完全かつ即時、無条件の撤廃を要求します(拍手)。これは、国際社会の歴史的な要求であり、国連総会や人権理事会の決議、さらには非同盟運動、77 カ国グループおよび中国、そして国連憲章擁護友好グループの数多くの声明に反映されています。
これは、国連総会および人権理事会の決議や、非同盟運動、77 カ国+中国、国連憲章擁護友好グループの数々の宣言で具体化されている国際社会の歴史的要求です。
米国政府は、62 年間にわたり、キューバに対し、いかなる国家に対しても適用されたことのない、最も厳しく長期にわたる一方的な強制措置システムを科してきました。
これは、強大な帝国による発展途上の小国に対する意図的な経済戦争行為です。これは、すべてのキューバ人の人権に対する大規模かつ明白で組織的な侵害であり、国際社会により、ほぼ全会一致で否認されています。
2019 年以降、キューバに対する封鎖は、より残酷で非人間的な極端な次元にエスカレートしており、それは物質的・財政的資源における非常に高いコストに表れているだけでなく、私たちの国の日常生活の負担は、持続不可能な限界まで達しています。
この政策の長期化は、計り知れない心理的犠牲をもたらし、キューバ人家族に残忍な影響 を与え、家族を細断し、分裂させ、悩ませています。そして、この政策を実行する一方で、その立案者と実行者は、アメリカ政府によって引き起こされたモノ不足でキューバ政府が国民を傷つけていると冷笑的に非難しています。
国務省の一方的なテロ支援国家リストへのキューバの恣意的な編入によって、その影響はさらに強まっています。これは、キューバ革命に対する包囲網を正当化し、強化しようとする、何の根拠も権威も国際的裏付けもない指定です。
国務省が最近認めたように、キューバが、テロとの戦いで米国に全面的に協力していることを認めるだけでは不十分です。国際社会は、キューバがテロリストの国ではないことを広く認識しています。キューバは、経済で窒息するような影響を与えるこの偽りの一方的なリストから、これ以上遅滞なく除外されなければなりません(拍手)。
私たちは、キューバに対する封鎖を終結させ、前述の一方的なリストからキューバを除外するという要求を支持し続けてくださっている、ここに代表されるすべての友好的な諸国民と政府に感謝いたします。
また、キューバを襲った最近の自然現象の影響を受け、キューバ国民に対する連帯の表明に深い感謝の意を表します。
米国との関係において我々が直面しているシナリオは、キューバにとって驚きではありませんでした。しかし、キューバ革命の原則的な方針に変わりはありません。
私たちは、政府間の深刻な政治的相違にかかわらず、両国の主権の平等、相互尊重、互恵に基づく建設的で洗練された関係へと前進するため、真剣かつ責任ある対話を行う意思を再確認します。
キューバは、外国からの干渉を受けず、平和、持続可能な開発、社会正義、連帯を約束し、自国の独立した社会主義の未来を築く主権をもった権利を擁護する決意を再確認します。
親愛なる兄弟の皆様、
私たちは、2014 年 1 月にハバナで開催された第 2 回中南米・カリブ海諸国共同体
(CELAC)首脳会議で承認されてから10 年が経過した現在も完全に有効である、「ラテンアメリカ・カリブ海地域平和地帯宣言」の擁護に対する約束を確認します。
私たちは、不安定化の企てや外部からの干渉の標的となっている、ここに集う国々との連帯を改めて表明します。特に、ニコラス・マドゥーロ・モロス大統領(拍手)が、外部からの受け入れがたい圧力から国民が守る決意を維持して、的確に率いている、ボリーバル革命とチャビスタ革命への強い支持を改めて表明します。
他国の制度や法律を問題とすることは、地域の安定に寄与しません。自分たちの未来を決めるのは、ボリーバルとチャベスの人々なのです(拍手)。
私たちは、ダニエル・オルテガ・サーベドラ大統領とその国民を全面的に支持することを改めて表明します(拍手)。ニカラグアの和解・国民統一政府に対する不安定化させる行動はやめるべきです!
ボリビア多民族国に対し、私たちは、天然資源に対する主権を守り、不安定化させる企てと対峙していることへの支持と連帯を表明します(拍手)。
私たちは、姉妹国であり親愛なるアンティグア・バーブーダで第 4 回小島嶼開発途上国国 際会議が開催されたことを歓迎します。私たちは、小島嶼開発途上国に対する協力の拡大、債務の持続可能性の支援、およびこれらの国々に対する実施手段の支援を目的とした「小島嶼開発途上国のためのアンティグア・バーブーダ・アジェンダ」が達成され、採択されたことを評価します。
カリブ海諸国は、常にキューバという姉妹を持ち、キューバは、不公正な国際金融システムと気候変動から生じる増大する課題に直面するために不可欠な、公正で特別かつ差別化された待遇を受ける権利において、また奴隷制度と植民地主義の惨禍に対する賠償と補償の正当な請求において、カリブ海諸国を支持します。
私たちは、自由なプエルトリコを求めます!(拍手)、私たちはハイチとの連帯を維持します。ハイチには、キューバの医師たちがいます。
親愛なる同志の皆さん:
イスラエルが犯したジェノサイド、人道に対する罪、アパルトヘイトの犯罪は、パレスチナの人々に対して 75 年間も形を変えて続いており、今や極端な様相を呈しています。終止しなければなりません。
私たちは、不法に占領されたパレスチナ地域における即時かつ恒久的な停戦を改めて強く要求します(拍手)。
キューバはまた、イスラエルがレバノン、シリア、イランなどの友好国に対して行っている攻撃を非難します。
イスラエル政府が不公正な行動をとり続けているのは、米国政府が、政治的、軍事的、後方支援、財政的支援を占領国のイスラエルに提供しているからにほかなりません。米国政府は、安全保障理事会による行動の可能性を阻止する一方で、紛争の調停者として自らを世界に示すことで、冷笑的かつ倒錯的に行動しています。
キューバは、イスラエル・パレスチナ紛争の包括的かつ公正で永続的な解決策を求めます。それは、パレスチナ人民が自決権を行使し、1967 年以前の国境線内に、東エルサレムを 首都とする独立した主権国家を持ち、難民を帰還させることを可能にする、2 つの国家の創設を基盤としています。
親愛なる友人の皆様、
野心的であるが、必要な戦略的アジェンダ 2030 を推進するため、70 を超えるコミュニケや数多くの行動を推進してきた ALBA 執行事務局に対し、感謝の意を表したいと思います。
今年は ALBA-TCP にとってもキューバにとっても非常に困難な一年でしたが(拍手)、その中で私たちは常に皆様の連帯を感じてきました。
キューバ革命は、あと数日で 66 歳を迎えますが、私たちがフィデル、ラウル、そして私
たちに先立つ英雄的なホセ・マルティ100 周年世代の学校で学んだように、最大の困難に立ち向かい、それを克服するという不変の意志をもって、66 歳を迎えることになります
(拍手)。この 66 年間、キューバ国民は、私たちのマンビ独立戦士の精神が衰えていないことを十二分に証明してきました。アントニオ・マセオ将軍が言ったように、「キューバを支配しようとする者は、戦の中で滅びなければ、血に染まった土の塵を拾うことになる」のです。
ALBA-TCP が屈しないように、キューバも屈しません!(拍手)。
私たちの総力を結集して、より強固で団結した ALBA を作りましょう!(拍手)。
ALBA-TCP が、我らがアメリカの経済発展と尊厳のための計画の絶え間ない探求と実現のために前進し続けますように。 このことは、私たちは、ボリーバルとマルティ、ラテンアメリカとカリブ海諸国の独立の父たちのおかげです。 200 年前のアヤクーチョの戦いで勝利を導いたアントニオ・ホセ・デ・スクレのおかげです(拍手)。そして、私たちは特にフィデルとチャベス、そして私たちの国民のおかげです(拍手)。
この 20 年間の連帯と友情のために、ALBA-TCP 万歳!
常に勝利まで!
(大歓声、我々は勝利する!)完
(新藤通弘訳)