キューバ大使館資料)
ハリケーン・イルマによる被害を前に、ラウル・カストロ議長が国民に呼びかけた
メッセージ、2017年9月10日
我が国の戦闘的国民への呼びかけ
ハリケーン・イルマは、その破壊力をもって、9月8日の朝から10日の日曜日夕方まで72時間以上もの間、我が国に襲いかかった。時速250キロを超えることもあった風速をもって、国の北部をバラコアからカルデナス近くまで通過した。バラコアは約一年前同じくハリケーンの被害を受けた場所である。
しかし、今回のハリケーンでは、その大きさから事実上影響を受けなかった所はどこもない。
専門家によるとこれは大西洋で発生した最大のハリケーンで、国に深刻な被害を与えた。被害はその甚大さから未だ把握できていない。予備的な調査では、住宅、電力システム、農業の被害が明らかである。
さらに我が国の主要な観光地の一部が被害を受けた。しかし、これはハイシーズンが来るまでには復旧できるであろう。観光は国家経済にとって主要な収入源の一つであるため、復旧に必要な人的、物質的手段を手配することができる。
我が国の国民にとって辛い日々だった。苦労して作り上げた物がほんの数時間で、破壊的なハリケーンによっていかに打撃を受けたかを目の当たりにしたのであるから。最後の数時間の映像が雄弁に物語っている。また逆境に直面する度に蘇る我が国国民の不屈の精神もはっきりと表れている。
この困難な状況下で、キューバ国民はその団結と助け合いを高め、全国防災参謀本部とすべての水準の防災会議の指示を規律正しく守った。また、気象庁専門家の専門性の高さ、我が国のメディアと記者の敏速さ、大衆組織の支援、さらに、全国防災会議の指導機関の一貫性も際立った。また特筆すべきは、我が国の全ての女性たちで、党と政府の指導者も含めて、冷静沈着に成熟さをもってこの困難な状況に立ち向かい、先頭に立った。
これからの数日は多くの仕事が待ち受けており、改めてキューバ人の強さと我々が革命に寄せる不動の信頼が証明されるであろう。今は悲嘆にくれる時ではなく、ハリケーン・イルマの強風が消し去ろうとしたものを再建する時なのだ。
過去の場合と同様に、我々の全機構が結集し、規律をもって一体化することで我々は前進する。誰一人としてだまされたと嘆くことはない。我々を待ち受ける課題は山積しているが、我々のような国民は最も大切な闘い、つまり復興に打ち勝つのだ。
この重要な瞬間、キューバ中央労働同盟(CTC)と全国小規模農家協会(ANAP)は他の大衆組織と連携して、この破壊的な出来事の爪跡をできるだけ早急に消し去るため、なお一層努力を重ねなければならない。
不変の原則がある。革命は何人をも見捨てず、当然いかなるキューバ人家族も運を天に任せることがないよう、必要な対策を実施する。
これまでも自然災害が我々を襲う度に、全世界から連帯の表明を受けてきた。すでに国家元首・政府、政治団体や連帯運動の友人たちが我々を支援する意志を表明した。我々はそれに対し、1,100万人のキューバ人を代表して感謝する。
キューバ革命の最高司令官、フィデル・カストロ・ルスを模範として、我々は復興に取り組もう。彼は常に勝利を信じ、鉄の意志を貫いて、我々に不可能なことはないと教えてくれた。この困難な時に、彼の遺産は我々を強くし、結び付けてくれる。