2023 年「革命 65 周年の年」9 月 18 日、にニューヨークの国連総会で開催された「持続可 能な開発目標サミット」でのミゲル・マリオ・ディアス=カネル・ベルムデス、キューバ 共産党中央委員会第一書記兼共和国大統領の演説。
(速記版-共和国大統領府)
議長閣下:
私は、77 カ国+中国を代表して演説を行うことを光栄に思います。
持続可能な開発のための 2030 アジェンダの中間点における点検は、開発途上国が複数の 課題に直面し、不平等と貧困を永続させる不公正な経済秩序が存在するという、極めて重 大な局面で行われています。
国連事務総長が作成した報告書には、かなり厳しい現実を反映した反論の余地のない数字 が含まれています。COVID-19 が流行する以前から、世界は、すでに持続可能な開発目標 (SDGs)の達成に向けた軌道から外れていました。
2030 年には、5 億 7,500 万人が極貧状態に置かれることになるでしょう。その時までに、 かろうじて世界の 3 分の1の国が、国民の貧困レベルを半分に減らすことができるでしょ う。私たちが合意したようには、飢餓をなくすことはできません。それどころか、現在 7 億 3,500 万人が慢性的な飢餓状態に苦しみ、その数は 2015 年よりも増えています。このま までは、17 の持続可能な開発目標はいずれも達成されず、合意された目標の半分以上が未 達成となるでしょう。
このような状況を認識して、G77+中国は、あらためて持続可能な開発を国際課題の中心 におき、2030 年アジェンダの実施を加速させるために必要な政治的推進力を提供すること を目的として、このイベントを最優先事項としています。
当グループが政治宣言の交渉プロセスに力を注いだのは、この精神に基づいて、持続的開 発目標の達成を保証する、具体的、革新的、変革的かつ野心的な行動や措置の実施を拡大 し、加速させるためでした。
このような背景の下、当グループは、国際金融システムの緊急改革を求める世界的な呼び かけの先頭に立ちました。この呼びかけは、実に多くの世界の指導者や著名人により支持 されました。呼びかけは、国連事務総長からも広く支持され、事務総長は今回のサミット に対し、国際金融システムの根底にある歴史的な不公正を是正し、最も脆弱な国々や人々 に、より良い未来に向けたより良い機会を提供するよう強く求めました。
グローバル統治に関するこのような重要な問題の議論において、すべての国の声が適切に 反映され、考慮されるようにするためには、こうした問題を議論する国連総会の役割を引 き続き擁護しなければなりません。
この呼びかけはまた、「南」の諸国が参加し、公平でバランスのとれた開発志向の処理を 可能にする、改善されたグローバルな国家債務システムの存在を前提としています。
金融の高い借入コストは、途上国が持続可能な開発目標に投資することを妨げています。 現在、「南」の 25 カ国は、政府収入の 20%以上を債務返済に費やしています。
同時に、融資条件を抜本的に改善し、「南」の資金ニーズに応えるため、多国間開発銀行 の早期かつ大幅な資本増強が急務です。
この観点から、開発のための長期間の調達可能な資金供与を大規模に増額し、持続可能な 開発目標でもって金融供与の流れを変えるという、開発途上国のための「持続可能な開発 目標刺激策」に関する事務総長の提案をフォローアップし、支持するよう、私たちは国際 社会に求めます。
私たちはまた、先進国に対し、政府開発援助(ODA)に対する未達成の約束を最終的に履 行するよう求めます。
閣下各位、
気候変動アジェンダは、国連気候変動枠組条約とそのパリ協定に従い、平等の原則、共通 だが差異ある責任とそれぞれの能力を維持しつつ、完全に実施されなければなりません。
緩和、適応、そしてそのための手段といった分野におけるより野心的な目標を明確にする ことは不可欠ですし、また先進国による資源の提供や動員は、開発の分野において課題に 取り組みながら気候変動と戦うために不可欠です。私たちは、先進国に対し、この分野に おける約束を履行するよう強く求めます。
2030 アジェンダの実施に向けた開発途上国の努力は、工業化、質の高い、信頼できる、持 続可能な、抵抗力のあるインフラを作りあげるために、技術移転や人材育成、「南―北」 協力の分野で、具体的な行動によっても支援される必要があります。
また、国際貿易システムもまた、改革され、途上国の輸出主導型経済成長を促進すること で、SDGs の達成に貢献する持続可能なサプライチェーンを構築する必要があります。そ のためには、途上国に対する「特別だが差異ある待遇」を多国間の原則として強化すべき です。世界貿易機関(WTO)協定と相容れない一方的な保護や貿易制限を含む保護主義は、 速やかに撤廃されるべきです。
これは、国連憲章の目的と原則に対する重大な違反であり、一方的な強制措置の強行に苦 しんでいる国々にとっても同様です。このような措置は、SDGs と持続可能な開発全般の 達成に向けて影響を受けた国の努力を著しく阻害します。国連システムを含む国際社会は、 このような措置の強行を断固として拒否し、その無条件撤廃に向けて引き続き努力しなけ ればなりません。
閣下各位、
以上述べた主張は、「南」の指導者たちによって何度も表明されてきました。進展が見ら れないのは、解決策がないからではありません。そこには、行うべき行動はあるのです。 緊急に必要なのは、本当に「誰一人後に取り残さない」という政治的意志であり、人類が 現代史の中で経験したことのない最も困難な危機のひとつを克服することです。それこそ が、私たちが共に築くべき共通の未来への最善の貢献となるのです!
ありがとうございました(拍手)。
(新藤通弘 仮訳)