国際関係システムの民主化が緊急に必要

サルバドール・バルデス・メサ・キューバ共和国副大統領、第IX回非同盟運動首脳会議における演説。2024年1月19日、ウガンダ、カンパラ。

出所:グランマ紙2024年1月20日

親愛なるヨウェリ・ムセベニ大統領、

各国の元首及び政府首脳の皆さま、

ご来賓の皆様、

私たちの祖先の地であるアフリカ大陸で、この重要な会合に参加できることは、大変光栄なことです。アフリカは、私たちの祖国とキューバの国民性の本質の一部です。

両国間関係樹立50周年の年に、姉妹関係にあるウガンダを訪問し、私たちを結びつける友好と協力の歴史的な絆を確認できることを、私たちは光栄に思います。

私たちは、非同盟運動の団結を維持し、非同盟運動を分裂させ弱体化させようとする巨大な外圧に対抗するため、60年以上にわたる共同の努力を経て、この第19回首脳会議に臨んでいます。

私たちは、平和、独立、そして諸国民の発展を守るため、「南」の諸国間の政治的協調の主要な場を作っています。

私たちを特徴づける多様性は、私たちの強みです。それは、私たちが共有する諸原則と諸価値観に基づき、さまざまな見解の中からコンセンサスを見出すことを可能にしています。

非同盟運動は、新旧植民地主義、ファシズム、人種主義、アパルトヘイトとの戦いを含め、世界における多くの公正な大義の擁護を率いてきました。

私たちの運動は、新国際経済秩序の目標など、発展のための重要なイニシアチブの推進者でした。

私たちの運動は、侵略、戦争、そして私たちの国々に対する不当な制裁措置や一方的な強制措置の押し付けに対して、数え切れないほど多くの場面で、反対してきました。

今日、新たな世界的な課題に直面し、私たちの力を結束させ、私たちの立場を調整し、私たちの国民の願望と正当な要求を守るための声が聞かれることが、不可欠です。 

キューバは、G-77+中国の議長国として、「南」の諸国間の団結、連帯、協力の促進に尽力してきました。

私たちの協調行動は、私たち人民に対する著しく不公正で排他的かつ差別的な国際秩序を前にして、先送りすることのできない必要なものです。

私たちは、私たちの運動のいくつかの加盟国に対して科された一方的な強制措置の適用を断固として拒否することを改めて表明します。

キューバは、西サハラ人民の自決権を支持することを改めて表明します。

また、プエルトリコの自決権と独立の行使に対する明確な支持を表明します。

 

閣下各位、

昨年10月7日以来、私たちは歴史が記憶している最も残酷なジェノサイド行為を目撃してきました。イスラエルは、罪を問われることなく、冷酷な残忍さで、パレスチナ人民を集団的懲罰の対象とし、すでに2万人以上の罪のない市民の命を奪っています。

文明的と言われる西側諸国は、ガザでの子どもや女性の殺害、学校や病院への無差別爆撃、食料や水へのアクセスの剥奪を、どのように正当化できるのでしょうか?

私たちの歴史的指導者であるフィデル・カストロが、1979年に今回のような首脳会議で行ったように、これは、恐らくは「帝国主義の攻撃的な役割と、彼らが私たちの人民に望む秩序と平和の形の反駁できない証左」ではないか、と問うことができるでしょう。

キューバは、NAM(非同盟運動)がパレスチナ人民に対する歴史的な支援を一貫して維持してきており、現在の蛮行を止める努力に役立つものとして、以下の4つの実際的な行動を遅滞なく実施することを提案します。

ガザをはじめとするパレスチナ占領地での即時停戦を、あらゆる可能性をもって要求すること。

国連総会が承認し、民間人の安全と保護を確保し、食料と水を含む緊急人道援助の提供を促進することを任務とする国際保護使節団のガザ地区への緊急派遣を支持すること。

国連総会の緊急特別会合を再開し、その中で、東エルサレムを首都とし、1967年以前の境界線内に独立した主権国家を建国する権利を含む、パレスチナ人民の不可侵の権利を維持するための和平会議を国連の主催の下で緊急に招集する決議を、運動が提案すること。

パレスチナ国の国連正式加盟国としての早期加盟を支持すること。

 

閣下各位、

 

あらゆる歴史的な時代には課題がつきものですが、現在の時代も人類の未来に決定的な課題を提起しています。

現在の世界秩序は、複合的な危機、社会的両極化の進展、非対称性の拡大、地政学的対立、多国間主義の著しい浸食を特徴としています。排除と不平等は依然として続いています。

国際金融構造は、富める国々が自分たちの利益のために設計したものであり、私たちの国々の発展の願望を阻むものとして存続しています。

このままでは、2030年アジェンダで合意された持続可能な開発目標のどれ一つ達成することはできません。逆に、軍事予算はかつてないほど法外な額に達しています。

気候変動は、人類の種の存続を脅かし、環境危機への影響に最も低く関係している私たちの国々は、その衝撃を最も受けやすいのです。

世界的な収奪と過熱の主犯である工業国の財政的貢献は、不十分です。

「南」からは、国際関係システムの早急な民主化を要求しましょう。これは、昨年9月にハバナで開催された77カ国グループ+中国首脳会議において、私たちが宣言したことです。

富と幸福を生み出すために存在する非凡な能力が、公平かつ公正に使用されるのであれば、地球の大多数にとって尊厳ある豊かで持続可能な生活水準を保障することは可能です。

すべての国の協力と連帯だけが、今日と未来の巨大な課題に立ち向かう上で有効なのです。

国民総生産の少なくとも0.7%を政府開発援助に充てるという約束を、富裕国が達成していないことは、言い訳できません。

また、「南」の諸国が、対外債務に関係する利子の支払いに、収入の14%まで支払わなければならないこと、また後進国が先進国よりも8倍も高い利子率支払わなければならないことは、恥ずべきことです。

私は、相互尊重、無私の援助、相互補完を基礎とした連帯の国際協力、特に南―南の協力に対するキューバの約束を改めて表明します。

限られた資源と、直面している残忍な封鎖ににもかかわらず、私たちは、私たちの可能性の枠内で、今持っているものをささやかに分かち合うという原則に従い、困っている他の国々との協力を維持していきます。

参加者の皆様、

米国のキューバに対する経済戦争は、60年以上もの間、一日も止まっていません。その恐ろしい影響から逃れられたキューバの家庭は、一つもありません。

この戦争は、いかなる国家に対しても科せられたことのない、これまでで最も長く、全面的で、残酷な一方的強制措置であり、国民全体を飢えさせ、絶望させ、服従させることを目的としています。

米国のキューバに対する犯罪的かつ違法な経済・通商・金融封鎖は、かつてない攻撃的な水準レベルに達しており、1,100万人以上のキューバ人の繁栄と発展の夢に対する根本的な障害として、極限まで強化されています。

このような状況において、非同盟運動がこの犯罪的な政策を断固として拒否していることを、私たちはより一層高く評価しています。

また、私たちの国民を代表して、偽りの一方的テロ支援国家リストにキューバが不当に含まれることを拒否している非同盟運動のメンバーに感謝します。

米国政府によるこの不道徳で根拠のない行為は、キューバへの資金の流れを可能な限り断ち切るものです。これは真実に対する侮辱であり、今日を含め、数十年にわたって米国本土から仕掛けられた数々のテロ行為の犠牲者であるキューバ人に対する侮辱です。

兄弟の皆さん、

新型コロナの大流行により、さらなる努力が必要とされる、特に困難な時期に、アゼルバイジャンが、この運動において、傑出した働きをしたことに、私たちは、感謝し、祝意を表します。 

私たちは、ウガンダが2024年から2026年の3年間の議長国として成功を収めることを期待しています。そのためには、キューバは、常に全面的に支援いたします。

私たちは共にここまで闘い、そして共に、私たちの国々にとって重要な勝利を収めてきました。

私たちは、私たち諸国民の尊厳ある、公正で豊かな、持続可能な未来のために、必要な戦いを共に続けていかなければなりません。キューバは、常にその最前線にいるでしょう。

約30年前、カルタヘナ・デ・インディアスで開催された、私たちの運動の首脳会議において、キューバ革命の歴史的指導者、フィデル・カストロが述べた言葉は、今日一層有効です。その言葉を、私たちは忘れません。こう述べています。「私たちは、単なる傍観者ではありません。この世界は、私たちの世界でもあります。誰も私たちの団結した行動に取って代わることはできません。誰も私たちに代わって、話しません。私たちだけが、そして団結した私たちだけが、私たちの諸国民に押しつけられようとしている不公正な世界の政治・経済秩序を拒否することができるのです」。

ありがとうございました。

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