キューバ革命の歴史的指導者フィデル・カストロ 没後1周年記念

 

皆様

まず最初に、AMLAN(日本ラテンアメリカ音楽協会)の代表、マエストロ、アントニオ古賀様を初めとするキューバのよき友人の方々、そして在日キューバ人協会Jose Marti

の皆様に、このガラコンサートの開催にご協力いただきましたことに感謝したいと思います。このコンサートは、フィデル・カストロ・ルス最高司令官が不滅に向かって旅立ってからの1周年を記念し、彼を偲ぶためのものです。

 

去る11月25日は、議論の余地なくキューバ革命の歴史的指導者であり、これからもそうであり続ける人、キューバに真の最終的独立をもたらした指導者、フィデル・カストロ最高司令官を物理的に失うという修復不可能な喪失の一周年に当たる日でした。フィデル・カストロは疑いなく、尊厳と歴史の巨人でした。彼の一貫した真の革命家としての刻印は、シンボルとして世界に残りました。

 

フィデルは唯一の範疇の人、他のどんな範疇よりもはるかに上の範疇の人です。彼は常に理想の勝利に絶対的な信頼を持っていました。それが私達に残してくれた最良の遺産です。彼はとてつもない知性を持った人でした。また鋼鉄の意志と規律を持った人でした。それによってホセ・マルティの規範、つまり、真の人間とはどちら側にいたらよりよい生活ができるであろうかと考えるのではなく、どちら側にいる義務があるかを考えるものだ、という規範を常に現実のものにしていました。彼はドンキホーテの化身であり、世界の卑俗な行為とは全く無縁の人でした。

 

都合の悪い真実があると無視を決め込むことの多い所謂自由な報道機関(この自由は括弧つきですが)そのような報道機関でさえも、カストロ逝去のインパクトから逃れることはできませんでした。我々のように彼を賛美する者にとってはそのインパクトは当然のことですが、そこに留まらず、彼と考え方を共有しなかった人達にとっても、さらに彼に無駄な闘いを挑んだ人達にとってさえも同じでした。

 

キューバの団結は彼の最も神聖な貢献でした。彼は我々に、毎日磁石を取り出しどこに自分達の北があるのか見ることを教えてくれました。そして、例えいかなる挑戦になろうとも、我々が作り出し、たどるべき独自の道はどこにあるのかを見極めて行くことを教えてくれました。彼の統治のビジョン、考え方は権力のための権力ではなく、人に物を教える力、それを広く普及させる力に基づくものでした。

 

キューバ革命は、フィデルの刻印と指導のもと、その闘いを自分達の大儀を守ることだけに限定しませんでした。革命キューバは根本的に国際的次元を持っていました。そして、強大な隣国に政治的に従属し、社会的悪に溢れていた小国を、国際社会の完全なる行動者に変えました。そしていかなる国際会議の場でもその声を聞かせる能力を持つ原則的な外交を行ってきました。そのような前提から、連帯とは余ったものを与えるのではなく、持っているものを共有すること、というフィデルの考えを旗印として来ました。

 

友人の皆さん、

フィデルは日本の真の友人でもありました。日本人の勤労精神、献身性、創造性を強調するために機会を惜しみませんでした。1959年の革命勝利後、彼は両国関係の熱心な推進者となり、両国の関係が急速に深まり発展するよう努めました。二度の訪日とそれらの訪日がどのような環境下で行われたかは、プロトコールや慣習主義の枠をはるかに超えて、彼の人間像がいかに両国関係の上に消えることのない大きな足跡を残したかをよく反映しています。

 

世界平和を守るための彼の努力は、望ましい夢としての平和ではなく、人類の生存のための緊急な必要性としての平和をめざすものでした。不合理な核兵器の開発と核拡散にたいして、人生最後の瞬間まで憂慮していました。このことはまた、彼が常に日本に、そして広島、長崎の核のホロコーストに強い関心を寄せていたことにもつながります。ピースボートのキューバ寄港の際には何度も被爆者と交流しています。2003年の訪日時には、広島の原爆資料館でこう記しています。「このような蛮行が二度と繰り返されんことを」と。

 

この挨拶を終わるに当たりまして、私が確信していることを申し上げたいと思います。それは、フィデルの思想は地理的な距離や文化の違いを乗り越えて諸国民をつなぐ大きな力を持っているということです。彼の残した思想を深く真剣に議論することは、両国民が疑いなく共有する価値観や懸念をめぐり、両国の絆を強化する機会となるでしょう。今回の一連の記念行事がその趣旨に役立ったならば、私達は最良の形で彼を偲ぶことに成功したことになるでありましょう。

 

最後の勝利の日まで!フィデル!

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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Cooperación