ペルーの首都リマで開催された第8回米州首脳会議におけるアメリカ合衆国マイク・ペンス副大統領の演説に対するキューバ共和国ブルーノ・ロドリゲス外務大臣の反論

ペルーの首都リマで開催された第8回米州首脳会議におけるアメリカ合衆国マイク・ペンス副大統領の演説に対するキューバ共和国ブルーノ・ロドリゲス外務大臣の反論

 

 

アメリカ合衆国副大統領は、間違った情報をもち、現実を無視し、真実を隠しているようだ。

 

ペンス副大統領に直にお伺いするが、ラテンアメリカに対する貴政府の政策は、モンロー主義に基づいているのか否か。

 

私はシモン・ボリバルの言葉を借りてお答えしよう。「米国は、米州を自由の名において貧困で満たすために、神の摂理によって導かれているようだ。」

 

私はホセ・マルティの言葉を引用しよう。「私が今日までやってきたこと、これからもやるであろうことは、米国がアンティージャス諸島にまで広がり、南北アメリカ全土に一層その勢力を及ぼすことを阻止することである。」

 

ベネズエラを攻撃し、ニコラス・マドゥロ・モロス大統領について言及することは全くもって民主的でない。なぜなら、マドゥロ大統領は招かれておらず、この場で答弁できないのだから。

 

私は、ペンス副大統領のキューバとベネズエラに対する謗言、ならびにラテンアメリカとカリブ海諸国に対する侮辱的態度を拒絶する。

 

米国政府の空っぽな道徳概念は、ラテンアメリカとカリブ海諸国の参考にはなりえず、実際なっていない。

 

米国は過去100年間の人権と人間の尊厳に対して最も残酷な侵害に対する責任がある。米州地域における全ての独裁政権は、残酷極まりない軍事独裁政権も含め、例外なく米国によって押し付けられたものか、米国政府の支持を得たものだ。コンドル作戦やチリにおける流血クーデターのような恥ずべき事件は、米国政府の自覚の上で起こったことだ。

 

ペレス副大統領の国は、無実の民間人に対して核兵器を使用した唯一の国である。米国は数々の残酷な戦争、何千何百万の死者、子供や女性や老人を含む民間人の虐殺の実行犯であるにも関わらず、それらを巻き添え被害と呼んでいる。

 

米国は、数々の拷問、失踪事件、超法規的処刑、誘拐などの責任者だ。

 

米国政府は自国においても、アフリカ系アメリカ人市民、ヒスパニック系、移民、少数民族の人々に対し、大規模で、巧妙で、体系的な人権侵害を行っている。

 

巨万の富を抱えるこの国に何千万人もの貧しい人々が存在することは、人類にとって恥ずべきことだ。

 

米国では、投獄や死刑適用において差別的な人種制度が存在している。死刑執行の冤罪も大変多い。銃事件で命を落とす学生たちがいる。彼らの命は、とりわけフロリダにおいて顕著な政治的ロビー活動の犠牲になっている。

 

武器関連のロビー活動により、米国政府は数千万ドル、マイアミの一上院議員は300万ドル超の収入を得ている。

 

マイアミは政治的マフィアの巣窟であり、国際テロリストの隠れ家であり、2000年にはかの有名な選挙不正が行われた場所である。

 

ペンス副大統領は、汚職について言及する際に、自国が麻薬密売マネーロンダリングの中心であり、国々の不安定化につながる南への武器密輸の中心であることを言わなかった。

 

彼を選出した選挙制度ならびに彼が長年仕えてきた議会ははもともと腐敗している。というのも、企業の献金と政治活動委員会において並外れて合法的な方法によって支えられているからだ。

 

米州地域全体における産業や農業や雇用の崩壊を考慮に入れない厳しい保護貿易主義を科しているのは米国政府である。

 

政治的ロビー活動により、気候変動が反北米主義的な作り話だという思想が押し付けられたのも米国においてである。

 

政治・選挙制度において数千万人の市民の個人情報取引という不祥事があったのも米国である。

 

もし米国政府が、キューバ国民の福祉や、人権や、自決権に関心があるのならば、封鎖を解除し、我々の国際協力を妨害する代わりに手を貸し、世界におけるキューバの医療協力計画や識字教育計画に資金提供するはずではなかろうか。

 

副大統領は、キューバに対して侮辱的な言及をした。私はそれに対し、2014年にハバナでラテンアメリカ・カリブ諸国共同体首脳により採択された、同諸国の平和地帯宣言の文言をもってお答えする。同宣言の主張の一つは、政治的、経済的、社会的、文化的な独自の制度を持つことの自由を国民並びに国家の不可侵の権利とすることだ。

 

私はさらに、ハバナのホセ・マルティ国際空港で、ローマカトリック教会のフランシスコ法王とロシア正教会のキリル総主教により署名された歴史的文書の一節をもってお答えする。法王と総主教がキューバを調印の場として選んだその文書にはこうある、「私たち兄弟の出会いは北と南、東と西が交わるキューバで実現した。『新しい世界』への希望の象徴であり、20世紀の歴史における劇的な出来事の象徴であるこの島国から…」

 

あと数時間で、合衆国の爆撃機によるキューバの空港の爆撃事件からちょうど57年になる。その空襲の際に我々の独立と主権を守るべく複数のキューバ人が死亡した。彼らの追悼式において、キューバ革命の社会主義的性格が宣言された。何十年が経過しても、合衆国があの恐ろしい事件を実行する際に当時各国政府に対して使ったのと同じ言葉を用いるためにペンス副大統領がこの場にやってきたのは驚きだ。

 

近年起こった数々の出来事は、米国とキューバの共存は可能であり、生産的であり、文明化されたものになりうることを示している。

 

であるから、ペンス副大統領も、今席を立った代表団も、キューバが1ミリたりとも自身の原則を曲げたり、社会主義を築く努力を怠ったりすることを期待しないで欲しい。

 

 

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