キューバの「反政府デモ」は「作られたデモ」
キューバの「反政府デモ」は「作られたデモ」
スマホ時代の米国の介入のかたち
後藤政子 (神奈川大学名誉教授)
それはツイッターから始まった
7月11日、キューバで革命後初めて、生活苦にあえぐ市民の反政府デモが行われたことが新聞やテレビで伝えられた。一体、何が起きているのだろう。グランマ紙など現地の新聞の電子版を開いてみると、メディアの報道とは異なる実態が見えてきた。
それは「作られたデモ」、つまり、米国のSNS戦略が効を奏したものであった。
キューバ国内では数週間前から、SOSCubaというハッシュタグがついたツイッターが急速に広がっていた。11日、「サン・アントニオ・デ・ロス・バニョス 指令、動員へ」というメッセージが届いた。街でデモが起きているという噂が飛び交った。初めは小さなデモだったが、次第に膨張し、「祖国と命」、「独裁を倒せ」というスローガンも聞こえた。